1年に2回ほど愛知県三河御津の出光マリンズに出張し、WOODY ACTIVE 80 SALON 「とうげん」のメンテナンスや点検に行きます。

船内に入るといつも運動靴の片方が転がっています。

ちっちゃくて横幅の方が大きい、格好悪い靴なのですが、三河に着いたときからずっと床に転がっているのです。

絶対にしまうことも、捨てることもなく、ずっとキャビンの床に転がっているのです。

実はこれは私の靴で、片方は大阪からの回航時に和歌山周参見港沖で、40ノットを越える中周参見港に避難するときに、落としてしまった靴の片割れなのです。

オーナーさんは初めての外海で、初めての船酔いに苦しみ、全く動けない状態の時に私が艇を操船し難無く三河まで「とうげん」を持ってきたのですが、三河湾しか経験の無かったオーナーは「私は酔わない」と思っていたのですが、実は三河湾は大きな波は発生しない事に気が付いたのです。

伊良湖水道でも、40ノット以上吹き荒れ、艇が横向きに持って行かれるほどの大波でしたが、オーナーはキャビンでマグロになり、コクピットでルンルンの私は無事に三河湾へ進入させ、それ以来この片方の靴は「とうげん」の大切なお守りに成っているのです。