蘇 る ヨ ッ ト
FRPヨットの寿命は25年と言われていますが、レストアする事で遙か長期に寿命を延ばすことが出来ます。
1.費用的に新艇購入は無理
2.色々と傷んでいるが、レストアで蘇るなら
3.ハルのオズモシスが気になるし、デッキのゲルコートも白い粉が出てきた
4.装備の追加のついでに
5.乗れる時間が10年ぐらいだけど、このままではトラブルだらけ
6.リギンやセールが耐用年数が来てしまった
等々 色々な悩みで相談に来られます。
今回の YAMAHA29センターコクピット の艇も30年の経過でかなり痛みが激しかったのですが、今回レストアにより蘇りました。
メインセールをスタックパック式のWOODYセールで新調し、デッキフル塗装、ハルフル塗装、マスト・ブームフル塗装、リギン全て交換、シート交換、オズモシス修理、入り口差し板2分割ニス仕上げ、コクピットデッキチーク補修 等 1ケ月かけてフルメンテナンスしました。
それでも上下架費や船台使用料、クレーン2回、船底塗装の全てを含んで費用は150万です。
レストア前の姿
よくぞこれだけ貝を飼った物です。 羊の毛を刈るように剥がれて笑ってしまいました。
ハルはゲルコートがかなり痛み、光沢は全く有りません。
サンディングして、エポキシパテで補修していきます。
バウはかなり擦っていて、ガラスがむき出しになっていましたが、これもエポキシで補修していきます。
マストやブーム、リギンもかなり傷んでいます。
アルミのアルマイトが有効なのは10年で、プツプツと白い斑点は電蝕です。
マスト強度がどんどん落ちていきます。
リギンも見た目には解らないので、20年経ったら交換です。
時にはチェーンプレートも電蝕で真っ二つに引きちぎられていることもあります。
もしリギンが切れたりチェーンプレートが引きちぎれてしまって、・・・・・・ディスマスト・・・・・・・最低100万が飛びます。
マスト、ブーム、スプレッダーとウレタン塗装をします。
ついでにスプレッダーライトはLED48Wに交換。 車の前照灯の明るさです。
電線、リギンワイヤーも交換しました。
差し板は雨水の浸入で腐っていました。
1枚板の差し板を2分割として、上はオーナーさんの希望でアクリル板とし、周りの枠はチーク無垢材の20回塗布ニス仕上げ
写真は下側の部分です。
コクピットもゲルコートが完全にやられている状態で、所々ゲルが割れたり、剥がれている所は全てエポキシパテで、ひどい所はカーボン積層しました。
ウレタン白塗装とすべ取り止めはインターデッキのグレー仕上げ
コクピットノグレーチィングやチークデッキは洗浄と研磨、傷んだ材は交換。 埋め木も多数交換です。
仕上げは「アダックスーパーチーク1で3回塗布」 綺麗な状態で1年持ちます。
オズモシスが多数見つかり補修していきます。 今回約150ヶ所
乾燥後エポキシパテで補修します。 ゲルが薄くて強度に問題がある場合はカーボンも張ります。
ラダー付け根は割れも有り、水抜きをしてカーボンを張りました。
船体は濃いめのグリーン色になりました。
ウレタン色塗装 サーフェーサー塗布後、8回塗布、最後にAewl Grip クリアー塗布で、光沢はFRPのゲルコート以上に成り、顔の皺まで写り込みます。
船名もWOODY艇と同じ、チーク板にカッティングシートを貼り付けて、さらにニス塗装で仕上げました。
完成し、母港へ回航です。
お世話になりました---
母港の相生ボートパークに戻りました。
セールはスタックパック式のWOODYセール カバー色はハルの色に合わせました。
このカバーは、セールを上げるとピッタリと吸い付くようにセールに張り付いて、セールの1部になります。
スタックパック式という話は色々と聞きますが、セールを上げた時にセールと一体化するのは、私の知る限りこのセールしか有りません。
WOODY艇以外にも何十隻と納品させていただきましたが、皆さん絶賛されます。
後ろ側入り口の差し板です。
オーナーさんの希望で2分割にして、上はアクリル6mmでチーク無垢板で仕上げました。
前側は表面ニスが完全にやられていたものの、台はしっかりとしていたので、ニス塗装をしました。
凄く綺麗になったコクピットです。
今回の作業内容と費用
1.上下架、船台使用料、1ケ月の保管料、クレーン2回(マスト) 17万
2.WOODYセール、メインセールのみ 26万
3.ハル補修と塗装 30万
4.マスト補修と塗装 10万
4.デッキ補修と塗装 15万
4.船底オズモシス補修、船底塗装 20万
5.ラダー補修 5万
6.リギン交換、シート交換 20万
7.チークデッキ補修、塗装 10万
8.その他 2万
特別値引き -5万
合計 150万